会報Vol.1


催し報告・其の1
「よくわかる稲荷山町の歴史」講座

れからのまちのあり方に考えるためにも、稲荷山のことをもっともっと学んでみようと「よくわかる稲荷山町の歴史」講座が稲荷山公民館ホールで開催されています。講座はこれからも隔月で開催しますので、お誘い合わせてお気軽にご参加ください。
 第1回は昨年平成25年11月に「まちの暮らしと信仰」講師宮下健司先生、今年平成26年2月に第2回「上杉景勝、直江兼継と稲荷山」講師村石正行先生の講座が開催されました。
 上杉景勝の城下町の時代、善光寺街道の宿場町の時代、繁栄した商都稲荷山の時代、そして昭和時代から現在、近未来を見晴らかす歴史講座。このまちの歴史を掘り起こせば、いっぱいの宝物に出会えるはず…と、公民館は受講者たちの熱気であふれました。参加できなかった方に以下に概略をお伝えします。

第1回講座[講師 宮下健司]
まちの暮らしと信仰

宮下 稲荷山の町並みを見てもいろんなところに信仰の姿を見ることができます。例えば屋根瓦に刻まれた水という文字。「水瓦」を屋根に載せることで家を火災から守る。そんな祈りが龍められている。家の玄関などのお札、八日堂縁日の蘇民将来符や熊野午王宝印など。外からの邪悪なものを玄関の護符で遮ってしまう。付境には庚申塔、二十三夜塔、道祖神。野良と山の境界には山の神様や荒神さんなどの神様を祀ります。


こうやって幾重にも村の生活を守るために神様を祀っていました。四神像をともなう祇園祭などは稲荷山独自のもの。子孫へ残すものはお金やものでなく文化。伝統や先人の知恵を大事に、稲荷山にしっかり生きてきた祈りの世界と祈りが作り出したものを大事にして、本年10月スタートという重伝建指定に厚みをつけていっていただきたい。「商都稲荷山」「蔵のまち」という江戸から明治の繁栄期の建物が甦ってくる、そんなまちの姿を期待しています。

第2回講座[講師 村石正行]
上杉景勝、直江兼続と稲荷山
村石 稲荷山城は「上杉景勝により築城」とされていますが、確かな資料は少ない。天正10年(1582)、武田家が滅び、天下の覇権を握ったかにみえた織田信長も数カ月夜、「本能寺の変」で亡くなります。徳川家康・北条氏改・上杉景勝、そして真田昌幸らの在郷諸勢力が、空白地帯となった旧武田領(甲斐・信濃・上野)をめぐっての戦いを展開(天正壬午の乱)。上杉景勝が奥四郡(信濃)を制覇します。一方、徳川方についた小笠原貞慶が、深志城(松本)を奪還、更級郡への進出を狙います。こうした情勢下で、景勝は北国西街道(善光寺道)における対小笠原の拠点として、また、千曲川水運の拠点として稲荷山城をつくり、城の在番に稲荷山衆を置いています。この戦いについては直江兼続の書状か残されており、兼続が指揮をとっていたのかもしれません。兼続は、木曽義仲の養親中原兼遠の子、樋口兼光を祖とする樋口兼豊の子で、姉も須坂出身の須田氏に嫁いでおり、信濃への思いがひと際強かったようです。

おしらせ・其之一
「よくわかる稲荷山町の座史」講座
お気楽にご参加ください。


催し報告参其之二
「食文化伝承」講座
旬の野菜や郷土の伝統食を楽しくおいしく食ぺよう稲荷山には先人から伝承されたさまざまな郷土に根付いた食文化があります。伝承された郷土料理、句の野菜を使った創作料理、経験やアイディアを出し合い調理をしながら、風土に根付いた食文化に親しんでみようと、稲荷山公民館を会場に「食文化伝承講座(第1期)」を開催しました。今回提案されたおやき、こねつけ、おとうじ等の郷土食・伝統食は、千曲市誕生10周年記念事業として、レシピ案にまとめています。地域のみなさまに手にとって読んでいただければ幸いです。

みみよりニュース
スタンプスペース付きの新しいマップを発行しました。
ウォーキンクガイド「蔵の町稲荷山」
育む会では、ウォーキングガイドマップを発行し、町並みウォーキングを実施しています。今回、新たにスタンプカード付きのマップを発行、より楽しいまち歩きができるように提案してみました。マップは、稲荷山宿蔵し館、ふる里漫画館に置いてありますので、ご利用ください。好評の小冊子「歩こう善光寺街道稲荷山宿」も同時再版しました。こちらは一部百円で販売しておりますので、他地区からのお客様へもお勧め願います。また育む会では、県内外の各地からの視察受け入れと稲荷山の案内も随時行っていますので、お気軽にお申し込みください。

おしらせその2
一般社団法人
稲荷山町くらしと心を育む会
第2期会員受付中
 一般社団法人「稲荷山町くらしと心を育む会」は、稲荷山の蔵造りの商家などや町並みを維持・保存し、それらを現代に活かすまちづくりを目的に活動を開始。地区住民が主体となって行動し、行政と協働しながら事業を展開しています。これらの趣旨をご理解いただき、目的を達成するため、会員となって一緒に活動してくださる方を募集しています。多くの方々の積極的なご参加をお願いいたします。お申込みは3月下旬までに理事長の高村または各理事までご連絡下さい。
入会金 五千円
年会費 千円(年更新)
連絡先 高村
電話026・272・2080
携帯090・4363・5659

法事や結婚式を家でする人が急速に無くなってから幻の食になった「おとうじ」。大きな鍋や外かまどなどと一緒に必要なのは近隣の助け手の存在でもありました。今その共働力の衰退から伝統食がひとつ消えつつあります。

催し報告 其之三
稲荷山軽トラ朝市?賑わい創出?
ありがとうございました
市制10周年記念事業として開催された「稲荷山軽トラ朝市?賑わい創出?」は、アイニーと杏泉閣の駐車場を会場に、六月から十月まで月二回の計十回行われ、大好評のうちに終了しました。ありがとうございました。主催は『稲荷山町・くらしと心を育む会』で、参加者は、長野市飯綱、大岡、栄村など遠方からも。販売品は、旬の野菜、山菜、おやき、お菓子など。飯山から参加した笹寿司は、いつも販売開始後数十分で売り切れという人気でした。軽トラ朝市は、賑わい創出の他、地元の句の野菜を使っての郷土食、伝統食づくりの、再発見を目標に行われ、軽トラ朝市終了の十月から、いなりー君の楽しい「食文化伝承講座」をスタートさせ、稲荷山の伝統食、稲荷山にちなんだ「あぶらあげ」や「おから」の創作料理にも挑みました。「平成26年度もぜひ」との声も多く、皆様のアイディア、アドバイスをいただきながら、より工夫した内容で再登場したいと考えています。

発刊にあたってごあいさつ

 一般社団法人稲荷山町くらしと心を育む会は、このまちに住む人々が、歴史ある町並みと建物の保全・活用を選して、よりよい暮らしを実現していくため、国の重要伝統的建造物群選定を目指す住民運動を展開。地域の皆様のご支援ご協力、市議会のご賛同をいただき稲荷山地区の本年中の重伝建指定が確実になってまいりました。
 今後は、より魅力的な、安全安心で暮らしやすい町づくりを進め、地域コミュニティの創造・活性化をめざし、地域の皆様とともに活動していく所存でございます。今後ともよろしくお願い致します。

  一般社団法人
 稲荷山町くらしと心を育む会
   理事長高村徳太郎

編集室から
会報のタイトル「手毬」は「日本人の心のふるさとのような人」とも呼ぱれている越後(新潟県)出雲崎の僧侶、良寛さんの歌から取らせていただきました。
 イナリー君たちが活躍した江戸から明治の稲荷山宿、商都稲荷山。にぎやかな町内をちょっと離れた路地先の広場や満開の桜花の下で、子どもたちが、手毬をついたり、おはじきや縄跳びをしたり、秋草にかくれてかくれんぼしたりしています。
 重伝建指定による落ち着いた町並み、重厚な家々の再生が図られていくこれからの稲荷山。あちこちでそんな優しい風景がみられる、子どもたちの笑顔が弾けるまちづくりができたらとの願いをこめて、会報のはじめにこの良寛のことばを、置かせていただきました。これからも会の活動報告の前に余韻のある季節のことばを配し、稲荷山の町の奥に隠された情緒を探し出していきたいと思います。
 つきてみよ
 ひふみよいむなここのとを
 とをとおさめて
 またはじまるを

大募集
あなたが、わたしが主役のまちづくり
商家の主屋や土蔵を生かして使いたい。そんな思いを込めて、この春から商家活用ワークショップを企画しています。詳細が決まり次第お知らせいたしますので、お持ちください。また、キャラクター「いなりーくん」をつかったお土産グッズ、稲荷山の名産品などの開発し行っています。みまさまのアイディア等、どんどんお寄せください。
また、次号からは、みなさまの意見やアイディアなどの投稿をいただき紙面に掲載…ハガキやメールなど、お気軽にご連絡ください。

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